住民税の上場株式等の課税方式について

住民税の上場株式等の課税方式について

 住民税の上場株式等の課税方式について

住民税における上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等の課税の改正について
1.配当所得等について
配当所得については①総合課税、②申告分離課税、③申告不要制度の3つの課税方式があります。
住民税における上場株式等の配当所得等の課税については、所得税の確定申告において選択した課税方式と異なる方式で申告することも認められていましたが、令和4年度税制改正により、令和6年度(令和5年分)から所得税の確定申告書において選択した方式により住民税の課税がおこなわれることになりました。
たとえば、所得税の確定申告で総合課税を選択し、住民税申告では申告不要制度を選択するといったケースが認められないこととなります。
2.譲渡所得等について
上場株式等の譲渡所得については①申告分離課税、②申告不要制度の2つの課税方式があります。
住民税における上場株式等の譲渡所得等の課税についても上記配当所得等の課税と同様に、所得税の確定申告において選択した課税方式により住民税の課税がおこなわれることになりました。

 

上記の改正により、たとえば申告不要としてきた配当所得を総合課税で確定申告することで配当所得が合計所得金額に算入されることになり所得税はもちろん、住民税や以下のような点に影響を及ぼす可能性があります。
申告不要としてきた譲渡所得を申告分離課税で確定申告する場合も同様です。
 配偶者控除や扶養控除の適用
 住民税の非課税判定
 国民健康保険、後期高齢者医療保険や介護保険の保険料の算定
 特定の給付金や支援金など所得金額が影響する各種行政サービス

 

このように上場株式等の配当所得や譲渡所得については、令和5年分所得税の確定申告で選択した内容が令和6年度住民税の課税に反映されることになりますので、特に前年まで異なる課税方式で住民税申告をおこなっていた方は注意が必要です。
なお、確定申告で選択した課税方式を修正申告や更正の請求で変更することはできません。
2023.10.27